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城崎旅日記

2006011001「かに食べに行こう」という母からのお誘いで、山陰の温泉地、城崎に。
夫にしばしの暇乞いをしたのち、小さなかばんに下着だけ詰めて勇んで出立。
仕事で疲労困憊の夫に、「本場のかに」と「かにみそ」と「日本酒」を買ってくる。なにがなんでも買ってくる。待ってて。
神戸から城崎までは、電車で3時間とちょっと。




2006011002

本当はタイヤにチェーンをぐるんぐるんに巻いた車でブーと行く予定だった今回の旅。
しかしながら、兵庫県北部の日本海側は近年まれにみる積雪でもって路面はたいへんに危険な状態だと、雪に不慣れな妻に運転はきびしいと、車での城崎行きを聞いたひと全員が必死になって止めるので断念。

この際列車の旅を楽しむべく特急には乗らずに、乗り換え乗り換えの各駅停車の旅路。山深くなるにつれ、風景もどんどんと白。
乗り継ぎの駅のホームでぼんやりと待っていたらやってきた赤い列車はなんと一両しかなかった。旅情、大爆発。

一両ぽっちの列車に揺られながら、母はかばんから「天津甘栗」の袋をがざーと出してきて「栗食べる?」と聞いたのだった。さすが。母は旅のなんたるかを知っている。どうあるべきかを知っている。

2006011003

栗を食べ食べ城崎駅に到着。
連休の最終日とあってか駅前はにぎやか。大通りにはおみやげもの屋さんや魚屋さんが並んでいて、観光地ならではの風情がとても良い。

2006011004
川沿いの古い温泉街をそぞろ歩く。
ところで妻は雪道対策として、鉄板入りのいわば長靴のような大きめのエンジニアブーツ(重い)を履いてがろがろと歩いていたのだけれど、それを見た母が「雪道といったらこれよ」と、じぶんの履いていた一見スニーカーのスノートレッキングシューズを自慢。
足首をきっちりと固定し、ちゃんと底には滑り止めもついていて非常に歩きやすいのだそうだ。さすが。やんややんやと旅慣れた母を褒め称えていた直後にそれは起こった。




2006011027
前を歩いていた母の足元からべがっとなにかが外れたので下を向いてみると足型が。おかあさん!靴底!
母も振り返ってびっくり仰天。久しぶりに履いた靴なもんだから接着面が固まって弱り、歩いて反らせた拍子にはがれてしまったのだった。かあさん。まだ着いたばっかりなのに。あんなに誇らしげだったのに…。




2006011028
そぞろ歩き早くも中止。
靴底片手にすみやかに大通りに取って返し、靴屋さんを探す旅に。妻は、蒸かしたての「温泉まんじゅう」を買い食いしながらついていく。
しかし街には「雨具店」などしか無く、最悪「ゴム長靴」(黒くてピカピカしている)を買うしかないのかとあきらめムード。それでも親切な街のひとに聞き込んだ結果、小さな靴屋さんを教えてもらって見事に発見。かあさん良かったね。




2006011005

母は機能的で軽くて歩きやすい靴を買う。
はがれた靴底を持って事の顛末を話すとお店のおばさんは「それはそれは」と同情的な顔つきになり、「でも案外そういう方いらっしゃいますよ実際」と言った。雪国に行くのだーとはりきっていつもと違う靴を履いて思いもよらない目にあうひとはわりと居るとのことだった。そのひとりが母だ。妻は観光地に靴屋さんがある意味がちょっとわかった。靴はとてもだいじ。
そんなこんなで母は「黒いゴム長靴の刑」はまぬがれ、しかもはがれた靴も処分してもらい、靴代までまけてもらった。どうもありがとう。
すがすがしくそぞろ歩き再開。




2006011006

城崎は1400年前からお湯がこんこんと湧いて出ているらしく、「外湯」発祥の地なのだそうだ。
なるほどこんな小さな街に外湯は七つもあり、それぞれに歴史や名前の由来があって情緒豊かでそれを眺めるだけでも楽しい。昔の旅人だったなら、日本海に抜ける直前にこんなこじんまりとした温泉街を見つけたらきっと嬉しいだろうなあと思う。そりゃあ志賀直哉だって気に入る。





2006011008

いくつかお湯を堪能したあとで宿入り。
母は毎年かにを食べにここ来ているらしかった。母曰く「ここはすごいよ」「最終的に横にしか歩けないくらいになるよ」とのことだった。期待大。





2006011011

そして蟹。
母のいうとおりほんとうにすごかった。出てくるものすべてかにだった。大きくて甘い、生だったり茹でたり焼いたり揚げたりしたかにがひとり4匹分以上出てきた。かあさん。こんな良いもの毎年食べてたのか。
妻と母は無言で、ぱきぱきと音を鳴らしながら2時間半もの間、お箸を机に置くこと無く延々と食べ続けたのだった。


2006011010

酔っ払うとなんでも愉快になってしまう妻と母。
お風呂でさらに酔いを回し、どうでも良いことでげらげら笑いながら満腹なのにまた母の持参した「天津甘栗」を食べ、気を失うように就寝。
女のふたり旅はこわい。





2006011012

朝。宿を出てふたたび街へ。

本日はロープウェイでもって山の上に行きます。てっぺんには街を見下ろす展望台と小さなお寺がぽつんとあるだけなんだけれども、雪あそびができるかもしれない。

豪雪地帯に住む方はほんとうにたいへんだと思いながらも、瀬戸内に住む妻としてはやっぱり雪は珍しく、とても嬉しい。




2006011013

ゴンドラの窓にへばりついて景色を眺める。なぜか妻はこの景色を知っていた。この妙な既視感はなんだろう?と首をひねりつつ、母に「この風景見たことあるなあ」と言うと一緒にゴンドラに乗っていた係員のおじさんが「NHKのライブカメラが山の上にくっついてるよ」と教えてくれた。
なるほど。「兵庫県北部の今のようすです」の映像だったのだ。妻は合点がいった。

ゴンドラを降りると一面の雪景色。見るべきものがあまりないのでこんなところに来る酔狂はほとんど居ない。静かでいいぞいいぞ。

ふと遠くを見ると、雪の中から青いものがのぞいているので行ってみる。



2006011014

わあ。埋。
道案内の小坊主が顔だけ出していた。頭の青々しさがなんともシュール。坊主の頭の横に立ってぱちぱちと写真撮影。


2006011015

おんぼろの小屋みたいなお寺でおみくじを引く。
お寺は無人で、「お守り」も「おみくじ」もすべて料金箱方式。敷かれた畳は反り返って端が腐り、天井なんかは穴がどーんと開いていた。誰か。誰かお手入れを。

引いたおみくじは、「災いみずから去り、追い風に乗って進む舟のごとく喜びごとがありましょう 大吉」だった。
みくじといっしょに金色の小さな幸運の神様であるところの「布袋さん」が付いていて、これをお財布に入れておくと良いのだそうだった。
「布袋さん」の背中に大きく「布」と書かれてあるのがとくに良かった。




2006011016

雪だるまを作るべく、誰も足を踏み入れていない地帯に勇ましく乱入。
何歩か歩いたところで突然左足を踏み抜いて、脚のつけ根まで雪に埋まる。ぬ…。もがいても抜けないので助けを求めて遠くにいる母に「おーい」と手を振ると、母も笑顔で「おおーい」と手を振り返してきたのだった。
かあさん。違う違う。


2006011017

そして作った雪だるま。
母とともに「うさぎにしようか」とか「今年は犬でいこうか」とかやってたらなんだかよくわからないものになってしまった。そのへんにあった松葉で「目の部分」と「ひげ」を表現。母のマフラーを巻いて完成。
しかし母が「なんだか眠そうな雪だるまよねえ」「目になるものはないかしらねえ」と言うので探す。唯一目になりそうな「松ぼっくり」を取ろうと必死で腕を伸ばしていると、母はかばんからがざーと袋を取り出して「あったあった」と言った。


2006011019

そして「天津甘栗」。
そういえば母は先程も川で浮いていた「鴨」に甘栗をぱきぱきとむいて砕いてあげていた。甘栗は水に浮かず、すぐに沈んでしまって「鴨」はちょっと困っていた。
母はなんでもかんでも「天津甘栗」で済まそうとする。

いよいよ完成かと思われた矢先、「なんか弱々しい雪だるまよねえ」と母から再注文。





2006011020

妻が松葉の眉をきりりとさせると勇ましいかんじの雪だるまになった。母も満足。
仲良く写真を撮ったあとにお別れを告げる。

2006011021

ロープウェイの係のおじさんが「景色の良いところに顔出し看板がございますのでぜひご利用ください」と言っていたのでもちろん利用する。
顔出し看板はどうしてこんなに顔を出さずにはいられないのだろう。妻は全国の顔出し看板から顔を出していきたい。


2006011022

遊びつかれてお茶屋さんで一服。
お店のひとに「これをあちらで好きなだけ焼いてくださいね」とだんごを渡された。ちりちりと焦げ目がついてとても素敵。
しかし無常にも下りのロープウェイの発車時刻が迫り、熱々のだんごを半ばのむようにふがふがと詰め込んで駆け足。旅情もへったくれもないかんじ。


2006011024

城崎のそこらかしこには「足湯」ができる場所があって、みなさん気軽に足を浸けているので母と妻もやる。
入った「足湯」はふたり分づつ石で区切られており、前の「かえる」が口からホーとお湯を出してくれてあたたかい仕組み。
ところが妻と母の浸かった「かえる」はホーという口はするもののちっともお湯を出してはくれず、結果お湯はどんどんと冷め、しまいには寒くなってしまったのだった。ひどい。




2006011023
観光地図を見ると城崎温泉の「元湯」となっている場所の横に「温泉たまご場」というのがあったので行ってみる。おんせんたまごば。すごい。楽しげ。
「温泉たまご場」は、元湯の98度の熱さのお湯に「生たまご」と「たも」をもらって浸け、ぐらぐらと茹だるさまを見て楽しむというものだった。でも時間が無い。おみやげを買わねば。

かにをわっさと買い込んで、次は酒屋さん。値段の違う同じ銘柄の地酒が並んでいたのでお店のおじさんに「あの。この『自信』と『誇り』とはどう違うのですか」と質問。おじさんは「そうね、『自信』もいいけど俺は『誇り』は捨てられないね」などと、およそお酒の話らしからぬ会話を展開させる。妻はもちろん自信を持って「誇り」を選ぶ。





2006011025

大荷物で各駅停車の列車に飛び乗る。さようなら雪国。
またどこどこと揺られながら、おいしい「かに寿司」を食べてビールをのみ、貪欲にも旅情を最後まで満喫。今度はぜひ夫も。

そして帰り着いた我が家で、仕事で深夜に帰宅した夫を待ち構えて夜中の2時までかに大宴会。


2006年01月10日 | Comments(13) |
コメント
写真(3枚目)、空がすごくきれいにとれてます。
雪うさぎがかわいいです。
「最終的に横歩き」爆笑です。
いいなー。
以上、手短にご感想まで。
奥村真 URL 2006年01月12日 21:13:17 編集
うわぁ。甘栗もまんじゅうも蟹も団子もおいしそうです。いいですねぇ。
ところでHNKはNHKですか?
餅 URL 2006年01月12日 22:09:44 編集
かに4匹分とはすごすぎてもうどんなもんだか想像するのも難しいです。かにのお刺身はここ数年食べてみたいと思っているのですがなかなか機会がありません。何にしても贅沢だーあー贅沢だー。
おみくじは七福神のですか?私も年始にひきまして恵比寿さんでした。漁業の守護神、航海の神、らしいのですが残念ながら漁も船旅もしないですよ…。 そして背中には何も書かれてませんでした。えー。
まじゅ URL 2006年01月12日 22:51:50 編集
ユキさんこんばんは♪
蟹カニかに三昧ですね☆
かに刺し、焼きガニ、花咲がにが食べたい。
本日誕生日だった母に楽天からカニを送りました。
うちの母も毎年カニツアーを欠かさないカニ好きですw
MICA URL 2006年01月12日 23:24:06 編集
靴底!!(爆)
先日雪国より神戸へひとっとびしました。
こちらは逆に、どんどん雪がなくなっていくことに感動(笑)
サチヨ URL 2006年01月13日 09:58:07 編集
楽しい旅ですね♪
しかも、カニ!!いいですね。
私は来月、友人と有馬温泉へ行くんですが、来年は城崎温泉へ行きたくなりました。
カニ三昧うらやましいです☆
めい URL 2006年01月13日 12:20:35 編集
ユキさんとお母様の旅物語、楽しく拝見いたしました。
カニ、いいな~。
わたしも正月にカニ(冷凍)をもらい、友人と食したのですが
やっぱり本場のカニは違うんでしょうね。
↑しかも、解凍方法がわからなくて、あたふた。
足跡(靴底)にも大爆笑!
最初、写真だけみた時には、なんだかわかりませんでした。
ところで、リンクの件、ありがとうござます。
作業終了しましたので、お暇な折にでも覗いてくださいね。
ともやん URL 2006年01月13日 15:59:42 編集
あ、雪だるまは「リサとガスパール」のリサに似てますね。
白いモコモコ具合と甘栗の目・鼻が可愛いっ!(^^)
ともやん URL 2006年01月13日 16:04:48 編集
いつも楽しく拝見させていただいてます、くまにかといいます。
今回も愉快な旅模様ですごくなごみました。^^
雪だるまもめんこい。ほわわ。
ところで、あのう、私のブログにおでんのリンクを貼らせて頂いてもよろしいでしょうか?
よろしくお願いします。
更新楽しみにしてます。それではでは。
くまにか URL 2006年01月14日 06:35:01 編集
・奥村真さん
ありがとうございます。奥村さんは空の写真がお好きですよね。
「最終的に横歩き」、それはいったいどんな煽り文句なんだと思いますよねフフフ。母はよくこの表現をします。
・餅さん
わああ本当だ。なんだHNKって。ご指摘ありがとうございます。すみやかに直します。誤字多いです。
・まじゅさん
わー。かに4匹分というか4杯分か、すごかったですよ。お刺身も普通は脚2本だけとか慎ましやかに出てくるものですが、どわーんと盛られて1匹分の刺身が出てきました。贅沢の極みだ。なんて乱暴な。お刺身おいしいですよ!甘くてとろけるようですよ。機会があればぜひに。
そうそうそう。七福神おみくじでした。200えん。航海の神。良いじゃないですか。人生は船旅ですよ(今、てきとうなことをしたり顔で言っています)ええー「恵」って書いてないのっ。なんで「布」だけ…。
・MICAさん
花咲がにといえばずいぶん大きなかにですよね。大きいかには口いっぱいに「かに!」というかんじが味わえるのも魅力です。誕生日プレゼントにかに。良いなあ。
・サチヨさん
ウフフ。お互いに無いものねだりなんでしょうか。新潟の豪雪が深刻のようで雪に浮かれるのも気が引けるのですが、やっぱり好きです。雪なんか無いところにはかけらも無いですもんね…。
・めいさん
ありがとうございます。やはり旅は楽しいものです。
有馬温泉!良いです。有馬好きです。有馬はなんといってもお湯がたいへんよろしいですよね。城崎はお湯に関してはあまり特徴はないというか。かに旅行にはもってこいです。冬場に!
・ともやんさん
本場というのは雰囲気もついて来るものなのでおいしさも3割増しです。新鮮なのでお刺身もできるし。でもわたしかになら冷凍だってなんだって好きです。
靴底。おなかちぎれるぐらい笑いました。なにも旅先ではがれることないのに…。
なるほどリサに似ていますね。赤いマフラーにすればよかった。
・くまにかさん
こんにちは。書き込みありがとうございます。
リンクとても嬉しいです。「おでん」はリンクフリーなのでばんばん貼ってやってください。ありがたいです。
こちらこそこれからもよろしくお願いいたしますね。
ユキ URL 2006年01月15日 10:13:23 編集
どうもありがとうございます!
リンク貼らしていただきました~^^
これからもよろしくお願いしま~す!
くまにか URL 2006年01月17日 02:47:49 編集
初めておでんさんを拝見しました。
やることなすことニヤッとさせらる事ばかりで、ひとりでニヤニヤして、少しハイになってしまいました。
なにやら幸せそうですねぇー
心から旦那さんがうらやましいかぎりです。
更新がんばってください。楽しみにしてます
こうじ URL 2006年02月09日 17:37:37 編集
・こうじさん
こんにちは。コメントありがとうございます。とても嬉しいです。
少しハイに!素敵です。「おでん」にそんな力が。
これからもなるべくニヤニヤしていただけるように頑張ります。よろしくお願いいたしますね。
ユキ URL 2006年02月14日 06:48:00 編集

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